実に日本人の80%以上が『猫背』だと言われています。
お客様とのカウンセリングでも「猫背に悩んでいる」と訴える方がたくさんいらっしゃいます。
では、この猫背。
猫背は本当に悪者なのでしょうか?
胸椎の性質
猫背=胸椎が丸まって前に倒れている状態
このような認識の方が多いでしょう。
でも、胸椎は丸まっていないとダメなんです。
脊柱は全体的に緩いS字カーブを描いているのが理想なんです。
肩甲骨は寄せるな
「姿勢を良くするために、肩甲骨を寄せるようにしてるんですが・・・」
これはNGです!
脊柱のカーブが失われ、脊柱周辺の筋肉が硬直し、側弯などのリスクが生じてしまいます。
さらに巷でよく言われる「後ろ重心で肩甲骨を寄せる」と、反り腰になってしまうのです。
肋骨ポジション
さらに姿勢のカギを握るのが「肋骨ポジション」です。
日本人には、骨盤に対する肋骨の後傾がよく見られます。
スウェイバックという状態です。
原因は、ディープフロントラインの癒着にあります。
これが解消されないと、肋骨ポジションを含めた全体の骨格が正しいポジションを得られません。
肩こりや腰痛、さらには足や顔のむくみといった弊害が起こってしまうのです。
肩甲骨
ポジション
肩甲骨にも前傾・後傾があります。
スタビリティ
肩甲骨が前傾し、本来の役割が果たせないと、肩関節と肩甲骨がいっぺんに動いてしまいます。
では肩甲骨の本来の役割って?
肩甲骨は「安定させるための関節」です。
スタビリティ機能を有しているのです。
つまり「肩関節の動きを肩甲骨がフォローする」ということ。
たとえば、手を挙げるとき、ますは肩関節が動きます。
肩関節の動きが限界にくると、肩甲骨がその動きを助けるのです。
肩甲骨が前傾していると、このスタビリティ性が機能せず、50肩などの症状を引き起こすリスクが生じてしまいます。
施術
ディープフロントラインの癒着を解消
まずはディープフロントライン(身体前面深部の筋膜ライン)の調整を行います。
※詳細はO脚(本当はX脚)の施術ページにて解説しています。
同時に、お腹の中から股関節までの筋膜も伸ばしていきます。
肩甲骨の前傾の矯正
続いて肩甲骨の前傾状態を矯正していきます。
腕の筋膜ラインも、指先からしっかり伸ばします。
肩の関節と肩甲骨を分離させます。
動き(モビリティ)と安定(スタビリティ)の役割を分けていくのです。
肋骨の後傾の矯正
肋骨に癒着している筋肉も緩めていきます。
施術の効果
今回は主に
×ディープフロントラインの癒着
×肩甲骨の前傾
×肋骨の後傾
をターゲットに施術を行いました。
施術のポイント
〇ディープフロントラインの癒着解消→全身の関節の機能性(モビリティとスタビリティ)が向上する。
〇肩甲骨と肋骨の矯正→身体の土台である「脊柱と仙骨」のポジションが適正化される。
〇重心が前重心になり、猫背が解消される。
「前重心で猫背が治るんですか???」
「後ろ重心が正しいって聞いたんですけど・・・」
では、重心の問題について解説していきましょう。
重心は前なのか?後ろなのか?
重心の問題を論ずる前に、そもそも正しい姿勢とは何なのか?について考察しましょう。
正しい姿勢=動きやすい姿勢
止まっている状態の姿勢を改善することは、実は日常生活に適応する姿勢ではないのです。
では具体的に「動きやすい姿勢」とは、どんな姿勢なのでしょうか?
動きやすい姿勢=スムーズに歩き出せる姿勢
では、スムーズに歩き出すためには、どうればいい?
前重心=親指で重心を支えて、座骨をつま先にのせて伸びあがるイメージ
動くとき、特に歩き出したり走り出したりするときは、前重心の方が身体へ余計な負荷がかかりません。
この前重心が取りやすい姿勢こそが正しい姿勢であり、日常生活に適応できる姿勢なのです。
まとめ
猫背は悪者か? NO! 脊柱は適度なカーブが必要。
肩甲骨は寄せるな! 後ろ重心で肩甲骨を寄せると反り腰になってしまう。
ディープフロントラインの癒着を解消し、肩甲骨と肋骨のポジションを矯正。
前重心になり、猫背が解消される。
前重心は動きやすい姿勢。日常生活にマッチしている。
動きやすい姿勢を手に入れて、猫背を解消しよう!
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